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【企業法務・コンプライアンス相談室】 採用内定を取り消す場合の留意点
Q&A
【経営者からの御相談】
当社は,昨年12月に,10名に採用内定通知を出しましたが,その内,2名について,採用内定の取消しをしたいと考えております。
どのような点に注意すればよろしいでしょうか?
【弁護士からのアドバイス】
企業は,採用応募者に対して,採用内定通知を出しただけで,応募者からの労働契約の申込みを承諾したものとみなされ,解約権留保付きの始期付労働契約が成立したと評価されることがあります(大日本印刷事件(最高裁昭和5年7月20日判決))。
そのため,採用内定の取消しは,法的には,解雇と評価され,解雇規制(労働契約法第16条)を受けることとなります。
そして,採用内定を取り消すことができるのは,採用内定時に知ることができす,また知ることが期待できないような事実であり,これを採用内定の取消しの理由とすることに客観的合理性があり,社会通念上相当と認められる理由が存在する場合に限られます。
具体的には,大学等の学校を卒業できなかった場合,犯罪を犯した等内定時の評価に重大な変更が生じた場合,雇用継続に困難をきたすような重大な経歴詐称等があった場合などには採用内定の取消しが認められやすいといえます。
内定取消しが違法・無効と判断される場合には,内定者に対して,債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償債務を負うこともありますので,慎重な対応が不可欠です。
採用内定,試用期間後の本採用拒否等を御検討されている経営者様,御担当者様は,八王子市南口徒歩1分,労働トラブルに強い,中村法律事務所に是非一度御相談下さい。