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【不動産トラブルQ&A】 ローン条項特約に基づく解除権行使の可否
Q&A
【御相談内容】
当社は、2月10日に買主Aさんとの間で、ローン条項特約付きの土地売買契約(売買代金1億円)を締結し、手付金1000万円を受領し、5月10日に決済(残代金支払➕登記申請書類交付)の予定でした。契約書のローン条項特約では、買主は、売買代金の支払にあたり銀行融資を利用するものとし、融資が実行されない場合には,買主は,5月10日までは本件売買契約を解除することができるとされていました。しかし、Aさんは、融資申込みに際し、銀行から求められていた連帯保証人を用意できず、また、持病(高血圧症)を申告していなかったために団体信用生命保険の審査が遅れ、ローン条項特約による解除期限である5月10日を経過してしまいました。
このような状況のもとで、Aさんは、5月20日になって売買契約を解除したいと言ってきました。当社はAさんの契約解除に応じなければならないのでしょうか?
【弁護士からのアドバイス】
ローン条項特約付きの不動産売買契約においては,買主はローン契約が無事に締結できるよう努めるべき信義則上の義務を負うものと解されています。
本件にでは,Aは買主の立場にあったにもかかわらず,連帯保証人を確保できず、また、持病(高血圧症)を隠し団信保険の審査を遅らせるなど、前記信義則上の義務に反する行為に出たものと評価される可能性があります。
ローン条項特約は、ローン実行に向けた努力義務を果たした買主を救済するものであり、一定の場合には解除権行使が制限されることがあります。
ローン条項特約付きの不動産売買契約に関して法律問題を抱えていらっしゃる方、不動産業者の方は、八王子駅南口徒歩1分、不動産トラブルに強い中村法律事務所に是非一度御相談下さい。